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へいわをつくる国、コスタリカ

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8.軍隊がなかったら、攻められたときどうするの?
 コスタリカの話をすると、この質問、必ずといっていいほど出てきます。
  結論から言うと、「軍隊がないから攻められない」というのが、その答えです。
  軍隊がないことは、実際に「有事」の際にも役に立つし、最悪でも被害を最小限にとどめられます。まず、攻められたとき、軍隊を持たずに白旗をあげるのと、軍隊でもって対抗するのと、どちらが被害が大きいと思いますか?
  前者なのは火を見るより明らかです。

  コスタリカでは、1948年に内戦がありました。その後、新たな国づくりをする際に軍隊をなくしたわけですが、その内戦で負けた人々(元与党)の一部は、ニカラグアに亡命していました。その人たちが、復讐戦を挑むべく、ニカラグアからコスタリカ領内に攻め込んできたのです。48年と55年の2度にわたって行われたその復讐戦は、結局亡命者たちの敗北に終わりました。
  それは、コスタリカが再軍備をせず、国際社会に訴えたからです。そのため、亡命者を支援していたニカラグアに圧力がかかり、ニカラグアは支援を撤回せざるを得ませんでした。
  55年の侵攻の時には、私が知っているだけで、9人の民間人が亡くなっています。しかし、そのときコスタリカが再軍備して、全面戦争になっていたら、どうなっていたでしょうか。間違いなく、被害は増えていたはずです。
  命の数をカウントすることは好きではありませんが、もし「国を守る」というのであれば、被害を最小限にとどめるということも有事の際には考えなければならないこともあるかもしれません。であればなおさら、軍隊はないほうがいいのです。

  また、国際社会がコスタリカを支援した理由も重要です。
  軍隊がないことや、民主主義の伝統などにより、国際社会から信頼されていたから、コスタリカはほかの国を味方につけることができたのです。
  軍隊の廃止は、現代人類社会の理想のひとつ。誰もが評価する行動を諸外国にアピールすれば、周りの国は味方になります。それこそが最大の防衛力となるわけです。

  1980年代、コスタリカは史上最大のピンチを迎えました。
  隣国ニカラグアで起こっていた内戦が、コスタリカ領内にまで飛び火してきたのです。
  このとき、ニカラグア政府は、コスタリカ領内にいる反政府ゲリラ( 通称コントラ)を追い出すよう、強く要望してきました。また、コントラは、CIAが組織した武装組織です。それで、アメリカは、コントラを支援するよう、コスタリカに圧力をかけてきました。
  ここでニカラグアにつくと、コスタリカはアメリカにつぶされます。実際、アメリカに反旗を翻してつぶされた国は枚挙に暇がありません。しかし、アメリカにつくと、ニカラグアと全面戦争になる危険性が非常に高い。どちらについても国が危ないという状態になってしまいました。
  そこでコスタリカは、「積極的永世非武装中立宣言」を出すことで、この難局を乗り切ります。
  「永世非武装中立」とは、「ずっと、武器や軍隊を持たず、第三者同士の争いにはどちらにも味方しない」ということで、「積極的」とは、「争いがあったときはどちらにもつかないが、仲介者としては積極的に介入します」という意味です。これを、政府の公式声明として世界中に発信したのです。
  これに対し、世界中の国々が支持あるいは賛同の声明を返してきます。これが、ニカラグアとアメリカに対する「防衛線」となったのです。
  理想を追求していき、それを国際社会にしっかりアピールすることで、防衛力とする。その理想の中には、「非武装」も含まれます。また、非武装かつ中立であることで、「積極的」、つまりニカラグアを含む中米各国の内戦を終わらせるための仲介も成功しました。
  けんかの仲裁者がナイフを持っていても、誰も言うことを聞かないでしょう。

  このように、実際の歴史の中で、非武装こそ最大の防衛力であることを、コスタリカは証明しました。「軍隊がなければ攻められた時どうするのか?」という疑問は、そもそも成り立たないわけです。
  拉致問題をこの問題と絡める人もいますが、拉致問題は(強制力としては)警察の範疇であり、軍隊が出てくる必要性はありません。
  そもそも、政治家は、ありもしない戦争のことを考えるのではなく、有事を起こさないことが仕事です。
  そのために、軍備を縮小する、あるいはなくすことは、政治にとって必要な課題だと言えるでしょう。

(text by 足立力也)


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