足立力也へいわ本舗
ADACHI RIKIYA HEIWA HONPO
 
コスタリカピースツアー
全て見る
トップ お仕事 スケジュール コスタリカツアー 平和学セミナー コスタリカコラム 2004年参院選のHP

へいわをつくる国、コスタリカ

→INDEXに戻る
9.コスタリカの問題点
 これまで、コスタリカのいいところばかり書いてきたので(マヌエル・アントニオ国立公園の例以外)、ここでコスタリカの悪いところをざーっと出しておきましょう。

  コスタリカだって結局はフツーの国。悪いところもしこたまあります。
  特にひどいの人権関係ですね。まずは先住民。
  コスタリカでは、統計上、白人が95%を占めているとされていますが、実際行ってみると、純粋にヨーロッパ系だろうと思われる人はそんなに多くありません。肌の浅黒い人は結構いますし、混血と思われる人も少なくありません。
  そんな中で、先住民としてのアイデンティティを持っている人は数万人に減ってしまいました。500年前にスペイン人がやってきたときにおきた戦争で殺されたり、ヨーロッパ人が持ち込んだ疫病が流行ったりしたのが?そもそもの原因です。
  が、それ以降も、先住民は常に、物理的にも社会的にも経済的にも政治的にも、周縁におかれていました。現在では、先住民保護区というものがあり、先住民たちはそこでひっそりと暮らしています。都市に出てくる人もいますが、その数はそんなに多くありません。アメリカにも先住民保護区というものがありますが、これと同様、たいがいは偏狭の地にあります。
  そこでの暮らしは厳しく、生活インフラも整っていない場合も多いのです。先住民と政府の合同委員会は、長年、先住民の生活や権利の向上に関して話し合いを続けていますが、いつまで経っても合意する気配はありません。

  また、女性の権利についてもかなり深刻な状況があります。
  国会議員における女性の割合は3分の1を超えるなど、社会的進出は進んできていますが、いわゆるシングルマザー率などは非常に高いレベルで推移しています。
  2000年の調査では、戸籍上父親がいない赤ちゃんの割合はなんと51.5%もいました(同年産まれで)。
  こういった状況に対応すべく、女性大臣などの主導で、「親権責任法」なる法律ができました。
  これは、
  1.母親は父親を指名できる。
  2.指名された父親は2週間以内に異議申し立てができる。
  3.母親と父親の意見が食い違う場合は、国費でDNA鑑定がなされ、最終的に父親が確定する、というものです。
  この法律が施行されて以来、状況はずいぶんと改善された、と女性大臣は私に語りました。指名された父親が異議申し立てをする率はわずか8%。つまり、だいたい身に覚えがあるってことですね。

  環境に関しても、いろいろと問題があります。特に都市部の環境問題は、他の諸国と同様、結構深刻です。自動車が集中する首都サンホセでは、排気ガスによる大気汚染の問題がありますし、ゴミ問題などはかなり深刻です。 また、郊外でも、企業によるリゾート開発の危機にさらされているところもあります。
  そういった開発をとめるために、「生物多様性法」という法律を制定し、環境の利益と私企業の利益が相克する場合は、環境の利益を優先するという原則を定めました。しかし、開発と企業の綱引きは、いまだに続いています。

  こういった、ある種「強権的」な方法が、この国では取られることがあります。
  女性に関することは女性大臣が排他的な権限を持っているし、選挙に関しては選挙最高裁判所というところが司法・立法・行政の三権から独立した第四権として、やはり排他的で独立した権限を持っています。
  排他的権限を独立して持たせることにより、強力かつ迅速に改革を推し進めていくわけですが、このやり方が必ずしもベストだとは、私は思っていません。
  第一に、民主主義の原則と反する恐れがあること。
  第二に、独立性をどう  確保するかという問題があること。
  特にこの第二のポイントは、これまでの日本の行政史をたどってみると、頭を抱えてしまうくらい深刻な問題といえるでしょう。
  現在の日本の政治が抱える問題の根っこには、政財官の癒着があります。これを断ち切るには、どうしてもいろんな場面で第三者機関が必要なのですが、その数が少なく、またあったとしてもうまく機能していない場合が多い。これをどうにか変えていくことも、日本の政治が抱える重要な課題だと思います。

 いずれにしても、他の国と比較するというのは、自分の国や社会を考える際に非常に有効な手段です。
  コスタリカという国は、いい面も悪い面も含めて、非常に参考になると考えています。
  その上で、ベターな社会の像を考えて、それを実現させるために動く。そういった前向きなことって、結構楽しいですよ。

  みなさんは、どんな社会がいいですか?
  それを、どう実現させますか?

(text by 足立力也)


TOP→次

「緑の思想」詳細

HOMEお仕事コスタリカツアーキューバツアー平和学セミナーコスタリカコラム2004年参院選時のHP

足立力也へいわ本舗
お問合せ

Copyright (C) 2007-2015 Adachi Rikiya Heiwa Hompo All Rights Reserved
「平和ってなんだろう」購入 「平和ってなに」岩波ページ 「丸腰国家」購入 「緑の思想」購入 「平和をつくる教育」購入 「平和をつくる教育」岩波ページ