丸腰国家

―軍隊を放棄したコスタリカの平和戦略―

「理想」ではなく「現実」のもとに軍隊をなくした人々。教育も医療も無料!世界が“対テロ戦争”に突き進む一方で、「国家の非武装化」というもう一つの潮流がある。

著書名 丸腰国家―軍隊を放棄したコスタリカの平和戦略―
著者 足立力也 著
出版社 扶桑社/新書
価格 821円(税込)
ISBN-10 4594058728
ISBN-13 978-4594058722

目次

第1部 「丸腰国家」コスタリカの真実

第1章 コスタリカはどうやって軍隊をなくしたのか?

米国に狙われた中米地峡/貧困と孤立から始まった近代史/コーヒー産業とともに発展して/世界恐慌による混乱、改革と腐敗/一農園主の武装蜂起、1948年革命/「丸腰国家」の誕生/軍隊廃止のアイデアは昔からあった/廃止の理由は「財政の余裕がなかったから」?/フィゲーレスとウラテの確執と交錯/複雑な国際関係も後押しした/「国」ではなく、具体的な人物が実行した

第2章 軍隊がなくても大丈夫なのか?

軍隊がないからこそ攻められない/元大統領、カルデロンの逆襲/謎に包まれたクーデタ未遂事件/「3度目の正直」を狙うカルデロン/コスタリカを戦禍に巻き込んだ「中米紛争」/隣国ニカラグアの内戦とその飛び火/「積極的な中立」を宣言/中米和平交渉〜「米国的価値観」を逆手に〜/子を思う母の気持ちが内戦を終わらせた⁉︎/有権者たちが「非武装」を選んだ/”白旗作戦”こそ最も現実的だった/「丸腰」のほうが紛争を解決しやすい!/「人」という変数の重視/ニカラグア国境地帯で見た友好的な光景

第3章 コスタリカには本当に軍隊がないのか?

軍隊とは何か?〜神学論争から脱するために〜/軍隊は政治目的を達成するためのツールである/軍隊は「物理的強制力」を力の根源とする/「殺してはならない」と「殺さねばならない」の違い/結局のところ、軍隊を持っているのか、いないのか?/警察の装備と役割は?/軍隊と警察の狭間で/軍事的メンタリティからの脱皮/麻薬と治安悪化が現在の課題/さらなる「脱軍事化」を目指して

第4章 コスタリカは軍隊を持てるのか?

法律的には持てるが、「文化的には」持つことができない⁉︎/日本とコスタリカの「平和憲法」は全然違う/法律の「いいとこ取り」で、軍隊を持たない論拠をつくりあげる/軍隊派遣義務の免除を条件に、米州機構に加盟/積極的永世非武装中立宣言で軍隊の放棄を再確認/「再軍備はありえない」と誰もが考えている

第2部 「丸腰国家」をつくる人たち

第5章 コスタリカ人とはいかなる人たちか?

中米の「エアポケット」、コスタリカ共和国/世界の常識に唾する、驚きの思想/冷戦構造の中、「非武装が最大の防衛力」というミステリー/ナシオナル大学博士課程に飛び込んで/「哲学とは何か?」という問い/「先進国」「発展途上国」という価値観の呪縛/「ラス・アメリカス」(アメリカ大陸全体)の分断と統合/ラテンアメリカ人は「宇宙的人種」である/ラテンアメリカの思想と運動、そして苦悩/中米諸国は「向こう三軒両隣」/雑多な人種がいりまじった「白人の国」/「コスタリカ人は侵略や戦争に加担してはならない」という価値観

第6章 コスタリカ人が考える平和とは何か?

「平和に対する想像力」が働かない日本人/平和とは、静寂、平穏である/軍隊がないということは、自由があるということ/コスタリカは、「民主主義という平和」を輸出している/自分を愛することから始めよう/「破壊」の文化から「創造」の文化へ/責任を持たせて自己尊厳を回復させると、他者も尊重するようになる/国家予算の5分の1が教育費、小中学校は無料/保険料を払えない人も不法滞在者も、無償で医療を受けられる/刑務所には塀がない/「豊かな自然環境」は、平和な社会位のお手本/平和とは「終わりなき闘い」である/「否定の否定」ではなく「肯定の肯定」/国会の食堂にマハトマ・ガンディーの言葉が

第7章 コスタリカは「平和のパラダイス」か?

広がる政治腐敗と政治不信/プランテーション開発による環境破壊/置き去りにされる人権問題/貧困の蔓延と拡大する格差/賄賂文化の横行/電話の開通を頼むと1年待たされる⁉︎

第8章 還暦を迎えた「軍隊をすてた国」

軍隊廃止60周年記念式典/平和とは、終わりなき闘いなのです

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