平和ってなんだろう

―「軍隊をすてた国」コスタリカから考える

「軍隊をすてた国」として注目を浴びる国、中米コスタリカ。コスタリカの人びとが考える平和とはどのようなものなのだろう?民主的な選挙システムや憲法小法廷、窓口負担無料の医療制度、環境を守る活動などを紹介。自由と民主主義を重んじる社会の中で育まれる人々の意識を探りながら、あらためて平和とはなにかを考える。

著書名 平和ってなんだろう―「軍隊をすてた国」コスタリカから考える
著者 足立力也 著
出版社 岩波書店/岩波ジュニア新書
価格 799円(税込)
ISBN-10 4005006221
ISBN-13 978-4005006229

目次

まえがき コスタリカに息づく「平和」の価値観

第1章 「王様は裸だ!」と言った人たち

なぜ「コスタリカ」?/楽園へようこそ!/酔っ払いも出入りする?国会/そこそこが一番/住むということは

第2章 コスタリカ略史

1 文明と動植物の「交差点」──先史時代

2 貧困と孤立──ヨーロッパ人のアメリカ大陸進出と植民地化

3 「寝耳に水」の独立とコーヒー・バナナ──中米連邦結成から内線前後まで

4 コスタリカ現代史──「軍隊をすてた国」の軌跡

内線から「軍隊をすてた国」へ/内戦後の混乱期に起きた武力紛争/カルデロンの再逆襲/ニカラグア内戦と「積極的永世非武装中立宣言」

5 「軍隊をすてた国」の思想

平和とは?

第3章 平和の礎としての民主主義

1 「幸福な民主主義的祭典」としての選挙

2 特異な選挙システム──「第四権」としての選挙最高裁判所

3 選挙と子どもたち

4 あなたは誰に一票入れる?──子どもがつくる模擬選挙

5 学内選挙と民主主義教育

6 選挙外交と「平和の輸出」

第4章 人権先進国としてのアピールと実情

1 コンクリート塀のない刑務所

2 子どもも違憲訴訟を起こす憲法小法廷

3 窓口負担無料の病院

4 人権外交による国際アピール

5 コスタリカ国内の人権状況

第5章 「環境先進国」を目指して

1 環境破壊と自然保護

2 エコツーリズムのメッカ・モンテベルデ自然保護区

山の奥深く、深海の底/森とともに生きる/女性の自立と自然環境

3 ウミガメのゆりかご──トルトゥゲーロ国立公園

第6章 コスタリカにおける平和の文化

軍隊を忘れた人びと/消極的平和と積極的平和/点の平和と線の平和/「統合的価値観」としての平和/平和と健康の相似関係/プラ・ビダ

 

あとがき

Pocket